第4話 上海の歩き方

 〇〇月〇〇日,羽田空港.

Johnは搭乗口でくつろいでいた.

目的地は上海.

彼は突然,中国に行くことになったらしい.

 

 

 

 

空の上でJohnは機内食を味わう.

機内食でJALオリジナルのハーゲンダッツが出ることになるとは,
彼も思わなかったことだろう.

生憎の天気で大きく揺れる飛行機の中,
John
は食事を全力で味わった.

 

飛行機が舞い降りたのは上海浦東国際空港(PVG).

ここは上海を代表する国際空港で,海外から多くの飛行機が飛来する.

 

 

 

 

上海には多くの料理があり,
John
が最も気に入ったのは紅焼肉(ホンシャオロウ)だ.

馬鈴薯や人参と紅焼肉が特製のダシで調和され,
至福の味わいを生み出す.

 

 

 

 

夜,Johnはいよいよ街に繰り出す.

とある場所を目指して.

ここは南京西路にほど近い,張園と呼ばれる一角.

白いレンガ造りの建築が印象的だ.

 

 

 

 

近くには地下鉄の南京西路駅があり,
いくつものレストランやカフェが立ち並ぶ.

JohnPH COFFEEというカフェに寄り道した.

ここで軽めの夕食を取るようだ.

 

注文したのは二層ケーキのセット.

ストローベリーとチーズは相性が良く,
セットのドリンクと共に堪能した.

 

 

 

 

地下鉄に乗って数駅進み,
陸家嘴(りっかし)駅で降りてみよう.

ここは上海の中心部で,多くのオフィスビルが密集する地域だ.

 

Johnはふと夜空を見上げた.

摩天楼が天空を彩る.

 

振り向けばこの街のシンボルが目に映る.

宵を貫くこの建造物は
上海テレビ塔,又の名を東方明珠電視塔(オリエンタルパールタワー).

 

ラウンドアバウトの中心にはカボチャのイルミネーションが輝く.

なぜカボチャなのか意味不明だが,流行りなのだろうか?

 

 

 

 

川の方まで少し足を伸ばしてみる.

煌めく装飾に吸い込まれるように,Johnは先へと進む.

 

道端にも様々な装飾が施されており,見る人を楽しませる.

しかし,モチーフは謎だ.

 

 

 

 

気づけば川にたどり着いていた.

名は黄浦江(こうほこう),上海を流れる大きな川だ.

これほど幻想的な夜はいつ以来だろうか?

 

 

 

 

再び地下鉄に乗って黄浦江の対岸へ向かう.

南京東路駅と書かれた看板をくぐり,大通りに出た.

22時とは思えない人だかりを抜けていく.

 

最初に見えてくるのは和平飯店(PEACE HOTEL),
上海で特に歴史のあるホテルだ.

紫色と橙色のライトアップが美しい.

 

次は江海関(こうかいかん),いわゆる税関である.

月夜に佇み,静かに時を刻む.

 

 

 

 

そして我々は,ついにたどり着いた.

 

Johnにとってそれは,一度は必ず見たい景色の一つ.

光の音楽が夜を奏でる.

これほど多くの色を同時に目にすることは滅多にないだろう.

 

川には船も行き交う.

黄浦江は古くから水上交通の要となっていたようだ.

 

ここに来た証を残す.

Johnは語る.

 

「ここすごい.」

 

外灘(がいたん)と呼ばれるこのエリアは,
上海が世界に誇る夜景の名所だ.

 

 

 

 

翌日,Johnは浦東国際空港から帰路に就く.

翼のオブジェが存在感を放つ.

 

 

 

 

太陽が虹を纏う.

光と氷が織りなす芸術だ.

 

二時間の航海の末,
飛行機は着陸態勢に入る.

長い旅路が終わり,
John
は再び日常に戻ってゆく.